森に眠る魚/角田光代

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世間を震撼させた「お受験殺人」を題材にしたサスペンス。

東京都内の文教地区で知り合った5人の女性。
生活レベル、バックグラウンド、服装や持ち物の趣味、
性格など、すべてにおいてタイプの違う5人が
「子を持つ母親」という共通点でのみ親しくなる。
育児を通して交流は深まっていくが、
小学校受験を控えてその関係性が醜く変化していく。

あ~怖かった~!
子供のいないわたしには理解の及ばない世界。
常識も知性もある社会人なのに、
「母親」として「我が子」を介したとたん、
心に湧き上がってくる嫉妬や羨望や逆恨みなどの
ドロドロした感情は連続殺人モノなどよりよっぽど怖い。

「〇〇ちゃんママ」「〇〇クンママ」と子供の名前で呼び合ったり、
子供を通じて知り合った関係を「ママ友」と言ったり、
鳥肌が立つほど気持ち悪いけど、
もし子供がいたら我慢して順応しなきゃいけないんだろうか?
わたしだったらできないだろうなー。
いや、意外と仮面を被ってソツなくこなせるかも?
うーん、やっぱりムリだな、と妄想は堂々巡り。

5人のキャラがしっかり立っていて、
ライフスタイルから心情描写までキャラ設定に違和感なくリアル!
お受験がらみとはいえ、セレブなマダムばかりではなく、
地味で質素な根暗女や、家事能力のない元ヤンキーなど
いろんなタイプを揃えているところはさすが。
(地味女の瞳と容子がよく似ていて、最後までよく混同したけど)

誰に感情移入するかは読む人それぞれだろうけど、
実際に子育て中の人が読んだらちょっとヘビーかも・・・

わたしの友人が「子供を人質に取られてるようなものだから」と
言っていたような気がするが、言い得て妙だと思う。
子供が仲間ハズレにされたり、イジメにあったら大変だから、
多くの母親たちは自身の本来の人格を押し殺して
「ママ友」社交生活を送らなければいけないのかなぁ。

'09 6 ★★★★★
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by gloria-x | 2009-06-18 14:51 | ブックレビュー