旅する力 深夜特急ノート/沢木耕太郎

c0008209_2081751.jpg著者がジャーナリストとしてデビューするまでの秘話や「深夜特急」の旅に出るまでの経緯、
本編には書かれていない裏話など、
旅に関する文章の集大成。

「深夜特急」にはわたしもハマった。
沢木氏の講演は一度聞いたことがあり、
かなり間近でお姿を拝見したが、
やはりとても魅力的だった。
かっこいいのに、それを意識していないように見えるところがさらに素敵だった。


「深夜特急」が熱狂的なファンを獲得し、
多くの若者が影響されて似たような旅に出たのには
作品そのものの魅力はもちろんだけど、
作品世界のイメージを裏切らない著者のルックスが
大きな要素になっていることは否定できないと思う。

大学卒業後、就職した会社を一日で辞めると、
ゼミの教官が「じゃあ何か書いてみないか」と
一流の出版社や評論家を紹介してくれた、という
夢物語のようなエピソードには思わず脱力・・・
そんなのアリ?


安いギャラで情報誌やPR誌の取材して、クレジット無しの記事書いて、
などという下積みライター時代は送ってらっしゃらないのだ!
いきなり取材費たっぷりで取材期間も記事枚数も自由の連載をもらい、
それを読んだ編集者や新聞社のエライ人が仕事をくれ、
TVやラジオにも出してもらって、と嘘みたいにントン拍子!
「ライターとして駆け出しではあったが、やりたくないことはやらないという方針」
だったとか・・・いやはや言葉もございません。
運の強さも才能のうちなんですね。

女性有名人がインタビューに答えて
「知らないうちにお仕事がきて、気がついたらこうなってたの」的な
浮世離れした発言をすることがあるが、
それを見聞きしたときとちょっと似たような気分になった。
まあ、ひがみなんですけどね。
それはさておき、

人は、深く身を浸したことのある経験から自由になるのに、
ある程度の時間を必要とするものらしい。


この一文には理屈抜きで共感。

'09 2 ★★★★☆
[PR]

by gloria-x | 2009-02-09 20:08 | ブックレビュー