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日曜日たち/吉田修一 講談社

芥川賞受賞作「パークライフ」は、つまらなくはなかったものの
「なんでこれが芥川賞?いや、これこそ芥川賞なのかねぇ・・・それにしても」
とモヤモヤした読後感しか残らなかった。
それ以来、避けていた作家だったが、本作は意外だった。
いい意味でリアリティというか、生活感というか、
著者自身の生まれ育ちを垣間見せるような作風で、
奥田英朗「東京物語」に通じる空気を感じた。

主人公たちにまったく接点のない5篇の連作短編集で、
全作にチラッと登場する幼い兄弟の使い方が見事。

'05 6 ★★★★☆

by Gloria-x | 2005-06-30 21:47 | ブックレビュー