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ミッシング 消された記憶/ The girl in the park. '07(米)

劇場未公開だったのがもったいない佳作

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セントラルパークで3歳の娘マギーを遊ばせるジュリア。
そろそろ帰ろうと娘に声をかけ荷物をまとめながら
ほんの一瞬目を離した隙に娘は忽然と消えていた。
警察に届けるも娘は見つからず
直後に起きた幼時誘拐殺人事件の犠牲者の一人と考えられた。
16年後、離婚してカナダで暮らしていたジュリアは転勤でN.Yへ戻り、
カフェで見かけた若い女ルイーズに娘マギーの面影を見る・・・

ディープエンド・オブ・オーシャン」は子供が突然行方不明になったことで
幸せな家族が崩壊⇒意外な展開での再会⇒再生という佳作だった。
この作品も同じくミステリーよりはヒューマンドラマ。

ジュリアには息子もいるのに、娘がいなくなった日から
息子は二の次どころか入学式や卒業式にも欠席するなど
いないも同然なのが不思議!

「スタンド・バイ・ミー」をはじめ
子供の一人が死んだり行方不明になると
残された子供はなぜか親にないがしろにされ
「自分がいなくなった方がよかったのでは」と
一種の罪悪感を抱える・・・という物語を観るたびに思うのだが

いなくなった子供の分も、残った子供に愛を注げないものだろうか?

それに母親って一般的に娘より息子のほうが無条件に可愛いのでは?
息子を演じるアレッサンドロ・ニヴォラがいい。
母親の愛に飢えながらもどこか諦念・達観したような表情。
彼が父親のもとで健全に育ったのが救いだ。
ジュリアの別れた夫、息子、その婚約者一家などの
キャラクター設定・描写もていねいでドラマ部分の見ごたえもあり。

ジュリアはルイーズが娘のマギーに違いないと思い込み、
宿無しで盗癖のある彼女を家に泊め、なんと初日に合鍵を渡す。
実の母娘ならではの理屈を超えた直感に導かれて?と考えたとしても
お人好し&無防備すぎて感情移入できず。
しかもN.Yでっせ!

その後は服を買い与え、料理を作ってかいがいしく世話を焼き
一緒に外出したり、ほんとの親子以上に仲良く暮らす。
ま、失くした娘の身代わりで代償行為なのだとはわかるのだが
彼女の心理・行動にはまったく共感できず呆れっぱなし・・・
ルイーズが夜中に男を連れ込んだ時はさすがにキレるかと思いきや
それに触発されたように、自分に気がある同僚の部屋に
突然押しかけて熱い一夜を過ごす。
同僚役のイライアス・コティーズって
怖い役が多いと思うのだが、普通の役が意外にいい味。

で、ルイーズはマギーなのか否かで引っ張るのだが
果たしてその答えは・・・・
ラストは肩透かし感否めず、すっきりしないのが残念!


'11 7 DVD ★★★★☆
監督:ディヴィッド・オーヴァーン
出演:シガニー・ウィーバー、ケイト・ボスワース、アレッサンドロ・ニヴォラ
    イライアス・コティーズ

by gloria-x | 2011-07-30 14:41 | 映画レビュー