エスター/Orphan '09(米)
ツッコミどころは多々あれど、予想をことごとく裏切る斬新なオチに感心!
3人目の子供を死産で亡くした夫婦が孤児院から養子を迎える。
ロシア生まれの9歳の少女エスターは
愛らしく聡明で、芸術的な才能も持っていた。
夫婦はエスターを一目で気に入るが、
やがて一家の周囲で不可解な事件が頻発する。
死産の悲しみを乗り越えるために養子を、という発端がそもそも納得いかない。
だって夫婦には思春期の男の子と、聴覚障害を持った女の子、
手のかかる子供が2人もいるのだ!
しかも死産のショックで妻は一時期アル中になり、今もカウンセリングを続けている。
そんな家庭にわざわざ新しい難題を抱えようとするかー?
100歩譲って、新生児や物心つかない幼児ならまだしも、9歳の子を!?
ツッコミどころ:その2
養子縁組ってもっと手続きがいろいろ複雑なのでは?
それに、初対面で気に入って即決って・・・合コンじゃあるまいし。
最初は家に招いて子供達と相性があうかなど感触を確かめ、
少しずつ段階を経て最終決断をするんじゃないの?
ま、ツッコミどころにこだわってると話が始まらないので、いいか。
いつの時代?ってファッションを頑なに変えず
(その理由は秘密が明かされてわかるのだが)
最初から養父ジョンにだけベタベタまとわりつき、
有無を言わさず妹を子分にし、自分に否定的な兄は脅して黙らせる。
もっとじわじわ「変」さを出すかと思いきや、わりと速攻で連打なのだ。
これは展開速くてダレなくていい!
自分にだけ反抗的な態度を見せるので、
養母のケイトはエスターに疑問を抱き始める。
当然、夫ジョンに相談するが、頑として聞き入れないジョン。
それどころか、おかしいのは君の方だとケイトを責める。
もともとこの夫婦は一枚岩じゃなかったことが出てくるのだが、
ジョンがなぜここまでエスター側につくのか?
半ば意地になってるとしか思えない。
思い通りにいかないと、超人的な暴れ方をしたり、
平然と極悪非道なことをやってのける。
ロシアからやってきた経緯も謎だし、悪魔の子か?
などといろいろ予想するも、ことごとく外れ。
え~~~~っ!マジでー?奇想天外なオチです
ふと、梅図かずお「赤ん坊少女」を読んで
怖くてトイレに行けなかった小学生の頃を思い出した。
娘役のアリアーナ・エンジニアが可愛い!そして演技上手い!
(実際に聴覚障害者らしい)
この娘がキーパーソンで、下手な子役だったらぶち壊しだったが
愛らしさと芸達者さでストーリーに説得力を与えている。
'10 6 DVD ★★★★☆
監督:ハウメ・コジェ=セラ
出演:ヴェラ・ファーミガ、ピーター・サースガード
イザベル・ファーマン、CCH・パウンダー、アリアーナ・エンジニア
by gloria-x | 2010-06-03 23:03 | 映画レビュー