コレラの時代の愛/Love in the time of Cholera '07(米)
タイトルからいきなり「コレラ」だし、ガルシア・マルケスだし
もっと難解で鬱陶しいお話かと思いきや、
意外に展開が早く飽きさせず、
シリアスかと思いきや失笑させてくれたり、
話がどう転ぶのか予測もつかず2時間10分退屈しなかった。
舞台が南米で、街並みやコロニアル洋式の邸宅などが目に快い。
中庭、回廊、吹き抜けなど、内と外の境界がゆるやかなあの感じ大好き!
緑や花々は生命力強そうな濃い色彩でルソーの絵みたいだし、
風通しよさそうな映像が心地よかった。
ただ、いつも思うことだけど、
英語圏以外の土地を舞台にするならその言語にしてほしい!
キャストもほとんどラティーノだし、スペイン語でやってほしかった。
初恋の女性を半世紀以上思い続け、貞節を誓う一方で、
600人以上の女とSEXしまくるという不思議な男の話。
ロマンチックな手紙攻勢のおかげで両想いになり、
結婚を誓い合うが、父親の猛反対で引き裂かれた2人。
男は女を思い続けて童貞を守り抜き、
何年か後、やっと再会すると、女は無情にも
彼の顔を見るなり「あの話はなかったことにして」
このシーン、ハビエルの顔に原因ありとしか思えない(笑)
この印象薄く頼りなさそうな若者が↓突然こうなる。
突然ヌッと現れたらそりゃ引くわなーって演出なのだ。
その後、女は父親の思惑通り裕福な医者と結婚し、
男は手当たり次第に女と関係を持つのだが、
ふられて自棄になって、とかじゃないのがポイント。
常に女の方がその気になって、ふと気がつくとそうなってた、というパターン。
そして彼は初体験の相手から一人も欠かさずノートに記録しているのだ!
(昔、似たような人いましたよね?ワイドショーで連日話題だった)
主人公のキャラ設定がちょっと「?」
いい歳して定職にもつかず母親に養ってもらって
失恋したことにクヨクヨし、ストーカー的要素もあり、
はっきり言ってキモい奴!(容姿じゃなくて)
それなのに、自覚なく女を虜にするフェロモンを出してるのか?
ハビエル・バルデムは老けてからのほうが魅力的。
ちょっとニコラス・ケイジを思わせるセクシーハゲ系でお茶目。
ヒロイン役のジョヴァンナ・メッツォジョルノは
美人で勝気でニコリともしない表情が誰かに似てるなーと思ったら、
デブラ・ウィンガーだった。
父親役はジョン・レグイザモ。
ラテン系のやんちゃな役が似合ういい役者だが、
ヒロインの父親に見えないのが残念。
特に、医者と娘の仲をとりもとうとする様子はまるで女衒!
医者役のベンジャミン・プラットもよく見る顔だが、
現代モノのアメリカ映画に出てる時より断然魅力的だった。
しかし、なんといってもヘクター・ヘリゾンドの渋さと
年老いても枯れない色気!
この人が出てるだけで不思議に映画の格が上がるのよねー♪
'10 2 WOWOW ★★★★☆
監督:マイク・ニューウェル
出演:ハビエル・バルデム、ジョヴァンナ・メッツォジョルノ
ヘクター・ヘリゾンド、ジョン・レグイザモ、ベンジャミン・プラット
by gloria-x | 2010-02-26 14:46 | 映画レビュー